特派員メモ ◆パリ
うずく「愛国心」
「真の日本食」を出すレストランの認定制度がフランスで始まった。「日本食ブームの便乗店が多すぎる」「寛容こそ和食普及の近道」と議論百出。是非はともあれ、「日本を知ってもらいたいのは切実な気持ち」という、在仏経験者のブログの意見に共感する。外国にいると、日本の良い面は理解してほしい、偏見は正したい、というささやかな“愛国心”は抑えがたい。
日本の女性差別の実態を学校新聞に書きたい__と、パリの女子高生たちが取材にやってきた時もそうだった。
「結婚したら女性は辞めるの?」「なぜ女性はお茶くみばかり?」確かに当たっている面もあるが、<日本=差別>の前提にひっかかる。「能力より性別にこだわる会社は日本でも生き残れませんよ」と、まぜかえす。
突然、「じゃあ、これは何ですか?」と1枚の紙片を出された。日本の閣僚の「産む機械」発言を報じた仏紙記事ではないか。一瞬絶句。物証を突きつけられて、たじろぐ被告人の気分である。
かつて米国で、日本人ビジネスマンが、「日本の信用をコツコツ築いても政治家の失言で台無しにされる」とぼやいていたのを思い出す。愛国心を声高に説く政党の政治家の発言だと思うと、やるせなさはさらに募る。 (沢村亙)
<朝日新聞 2007/2/28>
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Author:renanaya
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