「自由競争での敗者は税金で救う」が地方の生きる道?

1年前までは「サブプライムローン」も「モノライン」も「ガソリン税」もほとんど話題に出なかった。いまマスコミが大騒ぎしても、立場によって人々の受け止める反応は違う。しかし、社会は細切れに存在するものでなく、綿密に、複雑に絡み合って無関係と思われる我々にまで影響を及ぼす。

国際社会で横行する投機マネーが実体経済を脅かし、私たちの生活までも不安に陥れる。


世の中が不条理なもので溢れていることにあきらめはついているが、こんな結果の先にどんな希望があるというのだろうか?
原油高騰の影響で、ガソリンだけでなく、軽油や重油価格も上昇して、物を運ぶ運送業者や人を運ぶタクシー、バス、船などの輸送事業者の悲鳴が聞こえる。

90年代から始まった規制緩和で、こうした事業体には異業種の参入による競争が地方まで広がり、提供サービスの値下げ競争が激化した。高利益とまで行かなくてもトントンで営業できていた事業体も、運賃やサービス料の値下げ競争で経営は苦しくなり、そこで働く人の賃金低下をも招いた。


今日のニュースが伝えた公衆浴場の現状は、10年間に50円/Lの重油の値上がりがあったにも関わらず、公衆浴場の入浴料は価格統制されているので、個々の経営事情があっても価格の転嫁ができないというもの。この数年で悪条件はいっそう進み、経営が困難な施設の中には廃業や転業を考えている所が多数あるという。行政は公共性があるということで、助成策を検討中であると。

過疎地のバスや鉄道や離島を結ぶ船舶など、すでにある程度の助成金が注ぎ込まれている。が、それら事業体の経営が好転する材料はなく、むしろ税金で息をつながなければ破綻するかもしれないという不安が付きまとう。公衆浴場までとなると、地方の基幹事業は税金投入でしか存続できないものばかりになってしまう。公共事業に頼る企業だって同じようなものだし、まるで社会主義体制のようだ。

自民党政権は、「民間主導の資本の自由な競争で経済を活性化し、国と地方に活力を与える」と言った。

規制緩和や自由市場主義を、メディアも民衆も支持した。

待ち受けていたものは、自己責任では生存できない事業体が多数生まれ、共倒れになり、地域の経済の息の根さえ止め、人々が地域で生きていくことを不可能にする。すがれるのはお上だけで、助成金や補助金という名目で税金を投入しなければ立ち行かなくなってしまった。

なんてこった。
一部の資本家の利益を守るために自由競争では生きていけない社会構造を作り出し、最後の出番は(ビジネスの)敗者救済を社会主義方式で・・・か?いったい何のための規制緩和であり、自由市場主義だったのか。

額に汗して働く労働を蔑むような価値観を生み出した投機マネーゲームも、労働者がいてこそ成り立つというものだ。
10万円の収入であっても9万円で暮らせば貯金ができる。100万円の収入でも110万円も使えば、1年後には借金が残るだけ。金や物で豊かさを実感し、働いて得る報酬の価値の大きさ以上の浪費をする社会を推奨することは、経済破綻につながるだけではないのか。この価値観は田舎の方にまで広がっていて、持たざる者の絶望感を増している。

現金ではなく架空のマネーを動かすことで感覚鈍磨になれば、人々は税金の使われ方にも関心を示さなくなるだろう。社会全体が複雑になって世の中の仕組みが益々見えづらくなった。そこを狙う人間が一番利益を手にしていると思う。結局奴らの思い通りか?と思ってしまう。

ガソリン税の暫定税率廃止で対立するそれぞれの立場の言い分には、納得より不満が残る。国の行く末の希望につながる内容からは程遠いと感じる。○○に群がる蝿のような・・・そんな風に見えるのは私だけか?
  1. 2008/01/24(木) 23:00:12|
  2. この国の行方